MRKホールディングス(9980)2020年3月期決算は増収増益
総評:2020年3月期はコロナ禍であっても増収増益で着地。営業キャッシュフローも黒字化し、店舗網の拡充・人員増で攻めの積極姿勢。一方、ブライダル事業がコロナの影響を受け、マタニティも水面下。出資先RIZAP社の株減損もあり、最終利益は赤字。
株価:6/12時点で158円。時価総額は約160億円。
優待:100株から有り。大盤振る舞い銘柄。


コロナ禍でも本業は順調
婦人下着とその関連事業は増益決算で着地。その背景としては
- 新商品、新カラーの投入
- 店舗の改装
- 化粧品・インナーコスメなどの関連商材の拡充
- 販売施策の効率化
これらの施策が奏功した結果ということです。MRKの補整下着は高級商材なので、コロナで不景気になれば厳しいかな? と考えていましたが、岩本社長によれば「マルコの下着は必需品」(2020年3月期決算説明動画より)とのことなので堅調な売上が確保できたようです。

ブライダル・マタニティは懸念材料
一方で、ブライダル事業が属するその他事業は「売上高10億44百万円、セグメント損失は1億6百万円」となり赤字。マタニティ及びベビー関連事業の売上高は20億49百万円(前期比23.0%減)、セグメント損失は25百万円(前期は1億38百万円の損失)となり黒字化は今期も出来なかった点は懸念材料です。

営業キャッシュフローは黒字化
MRKホールディングスは取り扱い商材がどうしても高額品なので、自社割賦を利用されるお客様が多いとのこと。そのために、キャッシュフローが黒字化しないことが懸念材料でした。ただ、今回は「他社割賦を利用した」(MRKHD、2020年3月期決算説明動画)ことで「キャッシュフローを自在にコントロールできる」と明言しておられましたので、今期の営業キャッシュフロー黒字化はその証明とも言えるでしょう。


「RIZAP株式会社」株の減損処理
2016年に健康コーポレーション(現・RIZAPグループ)の傘下に入った際に、RIZAP事業を行っていた子会社へ直接出資した17億5千万を、2020年3月期に8億7千2百万減損しております。出資金額の約50%程度にまで引き下げました。
この減損したRIZAP株は上場しているRIZAPグループ(2928)株ではなく、RIZAP事業を行っている中核子会社(MRKにしてみれば兄弟会社と言えるでしょう)ですので、お間違えなく。
コロナ禍によってボディメイク事業が休業、ゴルフ事業は従来から赤字、イングリッシュ・料理も立ち上げ期のため黒字化は遠いと推察されますので、この減損処理は致し方ないと思われます。


2021年3月期に向けた施策
2021年3月期に向けた施策としては、従来と変わらず店舗の改装・移転、新規出店や新商品の投入などとなる方針です。ただ、コロナ禍でも積極的に出店を考えている(MRKHD、2020年3月期決算説明動画)ことなので、これは若干驚きでした。箇条書きにすると以下のようになるかと思います。
- 積極的な出店・改装、ボディスタイリストの積極採用
- 非対面販売の強化(ECシステム刷新、他モール展開など)
- 新商材の投入(魔法のパンプス、など)
- TV等のインフォマーシャル、WEB等のプロモーション強化


現時点でのコロナの影響は?
親会社RIZAPグループの開示資料では、MRKホールディングスの休業率は極めて高く95%がお休みしている状態です。しかしながら、コロナの影響が深まりつつあった3月の売上は前年比プラスであったことから、休業要請開けの6月から徐々に客足が戻っていくのでは無いかと見ております。


経営再建は順調
このようにMRKホールディングスはRIZAPグループの中でも、順調な経営をしていると思われます。グループ内の孝行息子はイデアですが、MRKもそれと同等に評価されて良いと考えますが如何でしょうか。
優待制度もきちんと存在しておりますし、配当も少ないながらも払っていることから見ても、いずれこの低評価を打破してくれるのでは無いかと願っています。

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