KeyHolder(4712) 株主優待は蜃気楼のごとく……

優待制度も事業内容も安定しない
- 株価 156円 時価総額258億円
- 優待 有り。優待内容の継続性は不安有り
キーホルダー株は旧・アドアーズ、ゲームセンター運営企業でした。それが親会社交代、本業売却などを経て、今ではSKE48グループを傘下にし、テレビ制作事業なども行っています。ただ、以下の点において、長期投資には疑問符が付きます。
- 株主優待は幾度となく変更され、安定性・継続性は一切無し
- 低位株のため、株式併合へ。100株保有では無意味
- 秋元康氏へ割り当てられた新株予約権を巡り思惑が渦巻く
- コロナ禍のため、本業が不安定
- 親会社Jトラストの業績も安定しない
業績不安定
業態転換なども進めている為、業績は極めて不安定。発行済み株式も多く、株価は低位で乱高下しやすい状態です。

繰り返される優待制度の変更
優待目的の株式投資にとって、優待制度そのものがコロコロ変更されるのは極めて面倒です。キーホルダー株は事業内容も優待制度も簡単に変えます。以下はその証拠です。基準日やら内容やら、優待適用される株式数までも簡単に変えます。優待株を保有する投資家にとって見れば、蜃気楼のごとく変化し続ける優待制度と言えるでしょう……。
とりあえず、次回の優待は2020年12月に権利日が変更になったようです。


株式併合により8/15から10株→1株へ
さらに重要なのは株式が併合されますので、投資単位が上がり投資しにくくなります。現状100株は150円台ですので15000円で買えますが、これからは15万円必要となります。優待制度もまた大きく変わっていくでしょう。
おそらく2020年12月保有時には100株は最低でも保有していなければ優待は受けられないでしょうから、併合前には少なくとも「1,000株」の保有が必要となります。

SKE48や乃木坂グループに期待
SKEの親会社「KeyHolder」乃木坂との関係強化へhttps://www.tokyo-sports.co.jp/entame/akb/1853058/
アイドルグループのSKE48の運営や乃木坂46合同会社をKeyHolderの持ち分法適用関連会社にするなど業態転換は進んでいると言えます。アイドルグループなどエンターテインメント事業を拡大する意思と能力はありそうです。その未来に期待して投資するのはもちろん有りだと思います。
問題は、このコロナ禍の中でライブなどがかつてのようにはできない環境において、如何に収益を出していくのか、ということに尽きます。

「期待感」に賭けるか、SKE・乃木坂ファンなら……

結論として、会社の業績などは褒められた点は無く、最大の魅力の一つと言える株主優待制度も安定性は皆無。ただ、SKEや乃木坂のアイドルグループの未来に賭けるのなら投資する価値はあるかもしれません。
一世を風靡したモーニング娘やAKB48も今やかつての盛り上がりは無く、人気商売は水モノ。SKEや乃木坂がいまの隆盛を維持し続けるのは大変な苦労が求められます。しかも、ひとつのスキャンダルなどでグループ全体が沈んでしまう可能性もあり、それを主力として企業運営する会社に長期投資を行うのは、いささか疑問を持ちます。
アミューズなどしっかりとした企業体力を持ち、タレントも大勢抱えた上場会社なら長期投資に相応しいかもしれませんが、脆弱な収益構造しかないキーホルダー社をそれと同列に語るのは少し違うと思います。
今をときめく乃木坂グループの運営に携われる機会を大いに活かして欲しいとは思いますが、別のアイドルグループが彼女らの人気を奪うこともありえる以上、株式投資の観点から長期で保有する場合には大きな金額は投じることは避けた方が無難と言えます。
一方で、ファンが少しでも優待を利用しながら応援したい、という主旨の投資であれば、それは収益を求める株式投資とは違った目的ですので、その点に関してはご自身の判断で行うのが一番良いと思います。

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