インカムゲイン投資のための銘柄選定方法   ~キャッシュリッチ・キャッシュフローに着目~

安定的なインカムゲインをゲットしよう

はっきり言って、株式投資は苦難の連続です。株価は毎日連動し、急落やじり安が続く局面があり、業績発表で株価は思わぬ方向へ大きくぶれることが毎日のように繰り返されます。配当金が減額されることも珍しくなく、想定通りの収入が得られないことなど数多くあります。

そんな状況を少しでも避ける為には、会社の財務内容と業績の中身を確認してから、投資先を選別するべきだと思います。選別すれば、全てを回避できるわけではありませんが、少しでも「ふるい」に掛けておけば、より安定的なインカムゲインを得やすくなります。では、その選別基準は何なのでしょうか?

今回は「キャッシュリッチ」と「キャッシュフロー」に注目します。

1.無借金企業やキャッシュリッチを狙う

「○」有利子負債の項目、現金等の項目に注目

上記の画面はSBI証券に口座を開けば誰でも使える「HYPER SBI」で見られる画面です。会社四季報の情報がこちらで確認できます。その中の、「有利子負債」と「現金等」に注目して下さい。

この企業では、有利子負債が0円、反対に現金が24億円も保有しています。これは、個人で言えば「借金が無く、貯金が豊富にある」ということです。借金がなければ、それだけ自由に現金の使い道が決められるので、株主への配当金も減らされにくいということになります。

反対に、こちらの企業↓では有利子負債が多く、現金等が少ないです。

「×」有利子負債が大きく、現金は少なめ……

上記の企業では有利子負債=借金が1293億円もあり、反対に現金等は189億円しかありません。これでは、株主へ配当するよりも借金返済に回される可能性が高いと言えます。実際、この企業はコロナ禍の影響で、配当の大幅減配を決定しています。

つまり、有利子負債が少なく現金が多いリッチな企業を投資候補として残すのが良いと思われます。すなわちキャッシュリッチ企業ですね。

2.キャッシュフローがプラスの企業を選ぶ

次に選ぶ基準となるのが、キャッシュフローです。キャシュフローとはお金の流れのことです。簡単に言えば、会社のポケットにお金が入ってくれば「キャッシュ・イン」反対に出て行けば「キャッシュ・アウト」です。

例えば、お店で100円果物が売れれば、100円のキャッシュインとなり、市場で果物を70円分の仕入れをすれば70円のキャッシュアウトとなります。

こうした細かいお金の流れを合計すると、100円-70円=30円となり、この企業の全体のキャッシュフローは30円のプラスになります。

つまり、企業活動の結果として、どのぐらいのお金が入ってきたのか、出て行ったのかを見るのがキャッシュフローとなります。

詳しく言えば、営業・投資・財務の3つの分野でキャッシュフローを計算する必要がありますが、端折って言えば「営業キャッシュフローと投資キャッシュフローを足してプラスの企業を選ぶ」ことが重要です。

この二つを足した数字のことをフリーキャッシュフローと呼びます。会社側がフリーに使えるお金、ということらしいです。

営業キャッシュフロー+投資キャッシュフロー=フリーキャッシュフロー

※(投資キャッシュフローとは設備投資などのことで、工場などを建設すると赤字に、逆に工場を閉鎖し土地などを売却する場合などは黒字になります

「○」営業キャッシュフローと投資キャッシュフローを足すと黒字になっています

上記の企業では、営業キャッシュフローが105億円のプラス、投資キャッシュフローが38億円の赤字なので、両者の合計は105-38=67億円のプラスになります。

これが一年間、企業が活動をした結果として増えたお金です。このお金をどう使われるのかが重要で、プラスであれば株主への還元がなされる可能性が高くなります。逆にマイナスであれば、お金が減っていることになりますので、株主への配当は減らされるかもしれません

「××」営業・投資・財務キャッシュフローがいずれも赤字……

上記の企業は営業・投資・財務の全てキャッシュフローはマイナス。こういう企業は中々大変です。実際、配当は一切無い無配の企業です。インカムゲインを狙うのであれば、できれば避けたいですね。

まとめとして……

まず、インカムゲインを狙う際には、キャッシュリッチとキャッシュフローがプラスの企業を狙うべきです。キャッシュリッチでかつキャッシュフローがプラスの企業は、長期保有に値する優良株の可能性があります。

優良株を保有して、インカムゲインを狙うのが株式投資の王道ですので、これらの項目での銘柄選びは重要だと考えます。

当サイトの情報が全て正しいとは限りません。当サイトの情報に全面的に依拠して投資判断を下すことはお控えいただき、投資に関するご決定は皆様ご自身のご判断で行うようお願いします。

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