Q.なぜインカムゲインに拘るのか? A.人間は「待てない」から

「配当金や株主優待」は長期保有に必須のご褒美だから

人間は「待つ」ということが苦手です。速く遠くに行きたい、早く結果が知りたい、早く大きくなりたい……。

だからこそ、自動車や飛行機が誕生し、農業では促成栽培などの技術が進歩、通信手段も劇的に改善しました。もっと簡単に言えば、いまお持ちのスマートフォンの通信速度、これが遅ければ待てますでしょうか

cdmaOneからFOMA・3G、さらに4Gとなり、いまや5Gです。光通信より高速となった今、動画再生で読込速度が遅くなることはもはや我慢できないはずです。

動画が遅いという現象は、たった数秒のことですが、人間はそれを我慢できない。そのぐらい、人間は「待つ」ことが苦手なのです。

そのため、早いことは褒められます。会社設立後、数年で株式上場を果たしたり、株式投資で僅か数年の間に「○億円儲けた」とかの話になると、もうかなりの有名人です。

だから、株式投資においても「簡単に」「すぐに」「手っ取り早く」儲けることを求める傾向があります。グーグル検索でもその傾向が見えます。

29600件もあります……

大半の株はすぐには上がらない……

残念ながら急上昇する株や綺麗な右肩上がりの株はそう簡単にありません。下の二つの企業のように、長期で美しい右肩上がりになる会社と、急騰する会社を事前には保有できていないことが多いです。

業務スーパーを展開する神戸物産
バイオベンチャー「テラ」

むしろ、こうして上がり続ける会社の方が少ないと言えます。日本で上場している会社は3700社以上あるそうです。その中から、こうした銘柄を見つけ出すのは至難の業。いずれは手持ちの保有株の中からこうしたスター銘柄に成長する株があるでしょうが、それがいつになるのかは全く分からない

この二銘柄でも、上昇前の前半部分のチャートを見ると、かなりの期間ほぼ横ばいの株価推移となっております。この時期に保有していたとしても、上がらないから売ってしまった……という投資家は少なくないと思います。

業績が良くても上がらないことが多い

万年割安株という言葉があります。業績は好調であっても、株価が安く、長期で見ても全く株価は上がらず、常に割安な価格で放置されている株のことです。

英語ではそれのことをバリュートラップと言います。

SMBC日興證券サイトより
野村證券サイトより

こうした株はいつまで経っても割安な状態で放置されますが、何らかの変化(外部環境市場の物色動向の変化、業績の変化、配当政策の変化、第三者による買収)によって、一気にバリュートラップから抜け出し、大幅な上昇に転じる局面があったりします。

顕著な例は2019年に発生したユニゾホールディングスです。不動産業を営むユニゾは東京のオフィスマーケットの堅調さを受けて大変な好業績にも関わらず、株主還元を軽視し、優待制度も改悪、さらには毎年のように増資を重ねて、株主を顧みない運営を続けた結果、2016年から2019年の半ばにかけて株価は低迷を続けます。

2017年や2018年に割安だと思って参入した株主は一向に上がらない株価と好業績の狭間で苦しんだことと思います。しかしながら、2019年にHISがユニゾに対して敵対的買収を持ちかけたことから、事態は一変します。

2000円以下だった株価はあれよあれよと6000円に、なんと三倍以上に暴騰するのです。HISの他に、外資数社やいちごHDなどが入れ替わり立ち替わり、介入し続けたことで株価はどんどん適正価格へと収斂していきました。

こうした中で、長年持ち続けたユニゾ株主は大いに恩恵を受けました。ただし、この恩恵を受ける為には少なくとも数年は株式を持ち続ける必要、いわば我慢が必要だったのです。

赤信号をジッと我慢する必要があります

人間の我慢は破綻する

でも、単純に見返り無く人間はどれだけ我慢できるでしょうか。上記のイラストのように赤信号の数十秒さえ待てない方も居ます。その中で株式投資は数年の待ちは当たり前です。普通なら、我慢できないで株式を売却してしまう場合は多いでしょう。

人間の我慢というものは、続きません。必ず破綻します。コロナ禍で外出自粛要請中に自宅軟禁のような形に耐えきれずに、外出してしまった方がいたと思います。でも、それは致し方ない部分もあります。人間は我慢が苦手ですから。

でも、我慢することでご褒美があったらどうでしょうか?

我慢に「ご褒美」があったなら……

我慢にご褒美があったらどうでしょう。言い換えれば、頑張った報いがあると分かっていれば耐えることが出来るのでは無いでしょか。

ご褒美があれば耐えられる……

株式投資にとってのご褒美と言えば「配当金」と「株主優待」です。この二つは保有しているだけで頂ける、まさに「ご褒美・報い」と言えるでしょう。特に株主優待は長期保有で優待内容がグレードアップする銘柄も少なくなく、我慢して保有してさえ居れば、その企業の利用優待券やクオカード、お中元お歳暮のようなギフトグルメなどが頂けるものです。

こうしたご褒美さえあれば、我慢することが可能になるのではないでしょうか。配当金にしても毎年のように増額して貰えれば、頑張って保有した報いとなるでしょう。

例として出したユニゾHDであっても少ない金額(数円)とは言え、毎期増配し、株主優待制度もありましたので、保有することができた(=割安状態に耐えられた)株主も多かったのでは無いかと思います。

ですので、インカムゲインや株主優待に拘る理由はユニゾHDのような、いつか大きく上がるであろう株を持ち続ける心理的な動機付けとして必要不可欠だからと捉えているからなのです。

いつに日か、株価が上がる時を待ち続ける……

配当や優待があれば株を持ち続けることができる

株主優待は株主平等の原則に反する、とか優待分を配当に回せ、とか多くの批判があるのは確かです。ただ、制度として存在する以上、これを上手に利用して投資する際に心理的な動機付けをすることで長期投資を実現するやり方があっても良いと思っています。

あとは、単純に投資をしていて、年に数回、その企業から優待品や配当金が送られてくるのを楽しみにすることはそれほど不健全では無いと思っています。

だからこそ、このサイトでは株主優待と高配当銘柄、インカムゲインに拘っていきたいと思っております。

優待と配当を楽しみに、のんびり投資したいです

当サイトの情報が全て正しいとは限りません。当サイトの情報に全面的に依拠して投資判断を下すことはお控えいただき、投資に関するご決定は皆様ご自身のご判断で行うようお願いします。

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