株価とPER(株価収益率) 妥当なPERは何倍か? PEGレシオから考える

PERとは利益の何倍かを示す数値
簡単に言えば、一株当たりの利益が100円で株価が1000円ならPERは10倍となります。株価(P)/利益(E)=PERですね。下記の会社なら利益が102円、株価が1403円ですから「株価1403/利益102」=13.71倍となります。

PEGレシオとは?
次にPEGレシオを用います。PEGレシオとは……
企業の中期的な利益成長率を加味して株価の水準を測る指標。「Price Earnings Growth Ratio」の略。予想株価収益率(PER)を一株当たりの予想利益成長率で割って算出する。PEGレシオが1倍以下なら割安、2倍以上なら割高と言われている。
https://www.nomura.co.jp/terms/english/other/A03043.html
要するに、ここ数年の平均的な利益成長率と現在のPERとの関係から、割安株なのか割高株なのかを探る考え方です。「PER/利益成長率」という式を、簡単に言葉で示すと、
- ここ数年の利益成長率が30%、PERが30倍なら(PEGレシオ1倍)なら普通ゾーン
- ここ数年の利益成長率が30%、PERが60倍なら(PEGレシオ2倍)なら割高ゾーン
- ここ数年の利益成長率が30%、PERが15倍なら(PEGレシオ0.5倍)なら割安ゾーン
つまり平均利益成長率よりPERが低い会社を狙えば良いことになります。

平均利益成長率より低いPERを狙う
CAGR(年平均成長率)=((最新年度の利益÷初年度の利益)^(1/N年間)ー1)×100


ちなみに上記の企業の経常利益から年平均成長率を計算してみると、2015年6月期に1623百万が、2019年6月期に5606百万へ増加していますので、この5年間の成長率は……
((最新年度の利益÷初年度の利益)^(1/N年間)ー1)×100
((5606/1623)^(1/5)-1)*100=28.13
となりますので、年平均28%成長となります。実際に手計算で計算するのはかなり面倒なので、上記の式をグーグル検索画面に打ち込んでみるとグーグル先生が計算を代行してくれますので、かなり便利です。もしくはエクセルなどの表計算ソフトを活用するのも手ですね。
それで、計算結果で表示された28%と実際の株価がPER14倍程度なら割安、PER28倍程度なら普通、PER56倍程度なら割高となります。
今の株価・PERから成長率を考える?
くどいようですがPEGレシオの考えからすれば、いま値が付いている株価PERが28倍なら成長率28%が、株を買う為に少なくとも求められている水準となるわけです。
そうなると「PERの値=成長率」が最低でも我々が要求する成長率であろうと推察されます。つまり、PER28倍の会社があれば少なくとも年平均成長率28%が無いと駄目、ということになります。

そうなると、もしPER30倍の株を買おうと考えているのなら、その会社が成長率30%を保っているのか、これからも保ち続けられるのか、を考える必要があります。
PER30倍なら成長率30%は必要

簡単な話です。PEGレシオの考え方から考察すれば、PER10倍なら年平均10%程度の成長があれば良い訳ですし、PER50倍なら50%の成長性がなければいけないのです。その成長力が無ければ割高、と判断できます。
全ては企業の成長力をどう判断するか、に掛かっています。
だから、成熟産業において、何らかのニュースフローが発生し、急騰した場面でPERを見ると100倍近い数値になっていることがあります。成熟産業であるはずなのに、このPERは果たして正しいのか、成長率100%が達成できるのか……。
そういう判断ができれば、高値掴みで話題の急騰株を購入してしまう……という失敗は避けられるのではないでしょうか。PER・PEGレシオの利用法は数多くあると思いますが、今回はPERと株価と成長力から妥当な株価を考えてみました。

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