会社四季報2020年3集 夏号 買ってみたい銘柄 大穴・船井電機(6839)
- 株価 520円(6/26)
- 時価総額 約187億円
- 無借金、現金同等物345億円

お荷物と化した船井電機
かつて高収益企業だった船井電機もテレビの凋落とともに、一気に問題企業と化してしまいました。2011年は3000円台だった株価は、2020年に300円台へ暴落。もはやどのように企業再建を進めていけば良いのか、迷う程です……。


船井電機のマイナス点
- 2016~2018年は大赤字
- 2019年3月期は黒字化も、2020年3月期は赤字転落
- 「継続企業の前提に関する重要事象」付き
ざっと見ただけでも、船井電機のマイナス点はこのようになっております。巨額の赤字が続き、売上は縮小傾向、配当は無く、主力製品は中国製に圧され、競争激化。しかも「継続企業の前提に関する重要事象」付きでは、まともな投資家は寄り付きません。「ウチの会社、ちょっとマズイですよ」と決算短信に書かれている企業は積極的に投資対象に含めたいとは思いません。
止血は済み、フリーキャッシュフローは二期連続黒字化

会計上の営業利益はいまでもマイナスです。2020年3月期は17億円の赤字でした。2019年は黒字とはいえわずか6億円程。これではいつ赤字転落してもおかしくないほどの微々たる金額です。
しかしながら、企業の生命線であるキャッシュフローは黒字化を二期連続で果たしております。会計上は利益は出ていないのですが、船井電機の内部にはキャッシュが貯まり始めました。

商品在庫は圧縮成功
このコロナ禍で、中国からの他社競合製品が輸入されなかったとのことで、競争環境が緩和、在庫の削減に繋がったようです。108億円の在庫圧縮はキャッシュフロー上、大きなプラスになったものと思われます。


売上は右肩下がりも、PS関連が伸長
かつての売上の柱であったTV関連機器はもはや大きな売上は見込めません。一方で、PS(プリンティングソリューション)事業が大きな伸びを見せています。

上記のようにネイルアートプリンタや自社ブランドプリンタ、大容量インクジェットやラベルプリンタなどの販売が伸びているそうで、ここが伸びていけば今後の反転攻勢の芽になるかもしれません。


時価総額を超える豊富な現金を保有する
2020年3月期の保有現金は345億円。有利子負債は0,という財務的にはピカピカの会社です。しかもこの会社の時価総額は190億円前後(6/26)となっており、差し引き155億円のプラスです。今すぐ会社を解散させれば、ほぼ倍近い利益が転がり込んでくる計算になっています。
なぜこのような低い評価しか与えられていないのか? 要するに、マーケットは「船井電機はこの現金を食い潰すだろう」と見ているので、保有現金を大幅に割り引いた株価でしか評価していないのです。
しかし、これまで見たように二年連続で、フリーキャッシュフローは黒字化を果たしています。しかもコロナ禍の最中で商品在庫は削減に成功、企業体質は徐々に好転していると言えます。

最新四季報には驚きの「前号比増額」
しかも、6月発売の四季報には「前号比増額」の欄外注釈がついていました。これにはビックリです。無配企業で「継続企業の前提に関する重要事象」付き、赤字や下方修正の常連企業ですが、希望の光は差し込んで来つつあるのかもしれません。
とりあえず、ポートフォリオの端っこ、買った後忘れてしまえるような規模数の株式を購入したいと思っています。リスクを背負える規模での投資で抑えるつもりです。なにぶん、この銘柄は極めてハイリスクなので、リスクを負えない場合の投資は決してお勧めは致しませんので、ご注意ください。

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