コロナ禍におけるインカムゲイン投資の手直し ~イオンフィナンシャルサービス・減配ショックで再考する~
イオンフィナンシャルサービスの大幅減配はインカムゲインを重視する私のような投資家にはネガティブサプライズとなりました。現状は高配当銘柄を追えば逃げて行く、いわば「逃げ水」のような高配当銘柄を今後も追い続けるのか、それとも路線の修正を緊急避難的に行った方が良いのか、大変な悩みどころとなりました。
現状は、4つの選択肢があると思っています。

1.いまのインカムを諦めて、将来の復元配に期待する
妥当な選択肢であり、従来の路線をそのまま突き進むやり方です。
大きな問題はなさそうですが、現状のグロース株重視の株式市場を見ると、どうも効率的なやり方では無く、大きな含み損を覚悟して、塩漬けを山のように作る決意の上で突き進むしかない、いわば決死の突撃戦法と言えます。
これが基本路線ですから、大枠は変えずに従来のやり方を踏襲するつもりでいますが、それにしても、もう少し上手いやり方があるのでは無いのかなとも思います。
2.もっと堅めの高配当銘柄を狙う
次に考えられるのが、もっと業績の安定した高配当銘柄を狙うという作戦です。
現状、堅い配当銘柄はごく僅かしかありません。せいぜい、公益株や通信株などに限られるのではないでしょうか。その他の高配当銘柄は、いつイオンフィナンシャルサービスのような、減配の憂き目に遭うか全く分かりません。
そこで今回は、減配されたイオンフィナンシャルサービスの代わりに、通信のソフトバンク(9434)をその代わりとしてポートフォリオに組み入れました。従来からソフトバンク株は保有していましたが、追加での取得となりました。
減益は受け入れられますが、減配をどうしても、受け入れがたい……。そこで、代わりに取得した通信キャリアのソフトバンクならば疫病や災害などが起きたとしても、提供する携帯電話・スマホ等のサービスは今や人々の命綱であり、日常生活には欠かせない道具を展開している為、大きな業績下方圧力は生じることはあまりないと判断しました。
ソフトバンクやKDDI、NTTドコモなどの各通信キャリアは既に社会インフラの重要な基盤のひとつであり、この3社で国内通信シェアを分け合う、中国・三国志時代のような天下三分の計とも言える事業競争環境はソフトバンクには極めて安定した収益をもたらすものと判断しています。詳しいソフトバンク分析は今後改めてブログに残したいと思いますが、現状ではソフトバンクの高配当に縋る他なし、と判断します。
3.いまのインカムを諦めて、将来のインカムゲインを重視=低配当銘柄でも甘受
私はイオンフィナンシャルサービスは1100株保有しておりました。68円配当だったので、1100株ならば額面で7万円強、本来なら受け取ることができました。
でも、今回はこうした結果となってしまったのでイオンFS株の売却代金のうち、半分をソフトバンクに振り向け合計400株を取得し、一株85円配当を額面で計3.4万円ほど受け取ることにしました。
このまま全額ソフトバンク株に振り向けても良かったのですが、一部を第三番目の戦略である「将来のインカムゲイン」を重視することにし、その路線に沿った株式を取得しました。
この戦略では一時的に受取配当金額は減少しますが、コロナ禍での企業業績を考えれば配当だけに拘り続けるのは、今回のイオンフィナンシャルサービスの惨劇を繰り返す恐れがあるのと、またソフトバンク株だけに頼るのは投資先の集中を招き、結果として資産運用の行き詰まりを引き起こす恐れがあったためです。
そこで、資金の半分を別な銘柄に割り振ることにしました。取得したのは
- 株式会社Kids Smile Holdings(7084)
- 日本ドライケミカル(1909)
- メディカル・データ・ビジョン(MDV・3902)



こちらの3銘柄です。何れも成長株と判断しています。
MDVは高PERでかつ無配ですが、営業利益率が20%弱と高く、医療関係向けにデータを提供する業務内容から、やがてはエムスリーのような企業に飛躍することを期待しています。
キッズスマイルも無配ですが日本ドライとともにPERは一桁の割安株です。PERが低い割には、業績の伸びは確実に有り、今後の成長力を両銘柄とも備えていると見ています。株主優待は日本ドライケミカルにクオカードがあるだけです。
何れの銘柄も今後ブログに銘柄研究を残すつもりですが、今日の所は簡単に。
日本ドライケミカルとキッズスマイルは低PERで配当性向が物凄く低いため、今後に配当性向の引き上げや初配があった場合は、それなりのインカムゲインをもたらしてくれるものと判断し、ポートフォリオに加えることにしました。
4.インカムゲイン投資を一時的に棚上げする
これはメディカルデータビジョンのことを指しています。今後デジタルトランスフォーメーション(DX)が医療の現場でも加速することになれば、エムスリーのような企業になれる可能性もあると思ったこともありましたし、そう簡単には収まらないコロナ感染によって将来にわたって医療分野が注目されることもあるでしょう。
それに株価も12万円台と手頃な値段だったので、インカムゲインを完全に無視して100株だけ加えることにしました。
株式市場ではそれなりの高評価を受けているので、今後きちんと分析したいと思います。
コロナの影響はこれから出てくる……
配当や優待がコロナの感染拡大で影響されるのは予測できていましたが、ここまで厳しいものとは想定外でした。
本日も明光ネットワークの株主優待が半減されると会社側のリリースが出ていますので、配当金の減額だけではなく株主優待制度の縮小・廃止などがインカムゲイン投資家を苦しめていくのだろうと思われます。

極めて厳しい環境であっても資産運用は続ける必要があります。いまは、知恵を絞って出来るだけ頭を低くして、銃弾が飛び交う株式市場で致命傷を受けないように、インカムゲイン重視の度合いをやや薄めながら、耐え忍ぶ他ないと思います。

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