キヤノン・ルネサンス・コロワイド 株主優待・高配当銘柄の増資・減配が始まった……

ついに減配・増資ラッシュが始まったのでしょう。四半期決算が本格化する中で、28日の引け後には数多くの高配当銘柄や株主優待銘柄について動きがありました。インカムゲイン投資家にとっては、何れもあまり良くない動きです。

1.高配当銘柄「キヤノン」33年ぶりの大幅減配

高配当銘柄のひとつである「キヤノン」が、ついに減配を発表。これで利回り8%から4%へ急低下することになりました。

バブル経済の前、1987年の円高不況以来の大幅な減配をせざるを得ない状況にまで落ち込んでしまったキヤノン。高い株主還元を続けることで有名だった銘柄なので、インカムゲインを求める数多くの投資家が保有していたと思われます。ニコンやコニカミノルタ、キヤノンなどの日本を代表する企業群が軒並み大幅な減配を強いられている現状において、インカムゲインを求めて投資するのは改めて再考する必要がありそうです。

2.ルネサンス、自己株処分へ。16%の希薄化。

コロナ禍の影響をモロに受けた業種として、スポーツクラブ企業が挙げられます。スポーツクラブは感染初期段階でクラスターの発生があったためか、顧客の自粛対象となってしまい「自粛するなら退会しよう」と考える会員が増えたことによる在籍会員数の減少、新規入会者の大幅減などで売上に大きな影響が生じる事態に陥っております。

そのため、ルネサンスは銀行借入に一時的に頼ることになりましたが、業績の悪化借入金額の増加というダブルパンチによって、自己資本比率が低下することになりました。

そこで財務への懸念を払拭する為に、DICから取得した自己株をSOMPOホールディングスと住友生命保険に割り当てて、資金調達を図ることとなりました。

発行済株式総数21,379,000株に対して12.18%、同日現在の当社の総議決権数162,801個に対して16.00%の割合に相当し、一定の希薄化をもたらすことになります。

ルネサンス 第三者割当による自己株式の処分及びその他関係会社の異動に関するお知らせ

1株につき1,049円で処分することになりましたが、これはDICから買い付けた自己株「1株につき851円」を上回る水準で、ルネサンスは一応自己株売買で「差益」を得た格好になります(自己株売買は損益計算書には載りませんので、利益計上はありません)。

ルネサンスは自己株処分による資金調達を実施、新株発行よりもマイルドな資本調達を選びましたがルネサンスが動いたとなると、同様のスポーツクラブ銘柄「セントラルスポーツ、JSS、東祥、RIZAP」各社の動きは、注意する必要があると思われます。

特に不動産事業を行う東祥や経営再建中だったRIZAPは要注意と思われます。

3.吉野家HD、大幅赤字転落・無配へ

株主優待銘柄の打撃はまだ続きます。今度は吉野家です。

外食産業もコロナ禍の影響を大きく受けておりますが、吉野家でも同様です。大幅な赤字転落を発表しました。

コロナ禍で赤字となれば配当金は出るはずもなく、中間期は無配転落・期末は未定という発表ですが、おそらく期末も無配でしょう。優待券については、株主構成から言ってもおそらく廃止縮小はないと思われますが、それだけに仮に優待制度に改定の動きがあれば、株価への影響は甚大になるものと思われます。

4.コロワイド 優先株発行で90億円調達

吉野家は無配・赤字転落の発表でしたが、同じく外食産業に属するコロワイドは増資による資金調達のIRを出しています。優先株を発行し、90億円分を調達するというものです。

コロワイドも吉野家同様厳しい状態にあり、既存店の閉店や減損処理に充てる為の原資になるとのことです。コロワイドの選択は普通株での増資では無く、優先株を利用しての自己資本増強なので現状では普通株式の希薄化は発生しませんが、優先株の最終処理方法としては「普通株へ転換」が行われることが多いので、将来的に普通株式の希薄化への注意が必要です。

恐怖の決算発表はまだ始まったばかり……

第一四半期の決算はまだ始まったばかりなのに、これほどネガティブニュースが発生している状況から推測すると、今後立て続けに行われる「高配当銘柄・株主優待銘柄」の決算発表では同様にかなりの厳しい結果が待ち受けていると言えるでしょう。

インカムゲイン投資家にとってはかなり悲惨な状況になりそうです。

やはり今年度に限ってはインカムゲインを重視する投資行動は控えて、インカムゲインとは真逆の投資手法である「成長株投資」あるいは「インデックス投資」に切り替える必要があるものと思われます。

リーマンショック以来、いやそれ以上の受難の時代となった感があります……。

配当減少は収入減に直結してしまう……

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