7月取得の高配当銘柄 ENEOSホールディングス (5020)

コロナ禍の影響が最も色濃く出た第一四半期決算発表が続いております。結果は、軒並み厳しい数字が並び、株主還元どころでは無い苦しい台所事情が垣間見えます。特に高配当銘柄で鳴らしたキヤノンの大幅減配は株式市場にとっては衝撃で、翌日のキヤノン株価は二桁を超える下げとなりました。
こんな状況下であっても、高配当銘柄や株主優待銘柄を狙う戦略を基本として資産運用を続けている私としては、痛い目に遭ったとしてもなるべく高配当銘柄を増やし続けることは止めたくない……、ということで、今回はエネオスホールディングスを追加で200株、取得することにしました。
今までは490円台で100株のみの保有でしたので、ナンピン買いにもなりますし、意外にエネオスへの評価も変わりつつあるため、多少期待を込めたナンピン買いです。
野村證券レーティング買い 550→590 7/17
市場の評価が変わりつつあるのは、野村證券が目標株価を引き上げた事からも分かります。
550円から590円へのわずかな変更ですが、中身を見ると2022年3月期.2023年3月期の利益を上方修正したことが分かります。
ENEOSホールディングス<5020.T>が小幅高。野村証券では16日付で、投資判断「Buy」(買い)を継続、目標株価は550円から590円に引き上げている。
銅価前提を引き上げる一方で、石化市況の下落、新型コロナによる銅鉱山の生産減少リスクを織り込み、21年3月期の在庫影響を除く修正1株利益予想を下方修正している。他方、新型コロナが収束すると見られる22年3月期、23年3月期は、銅価前提の引き上げが石化市況の下落を上回ると見て修正1株利益予想を小幅上方修正するとしている。
Russell/Nomura Large Cap(除く金融)のPER上昇を受けて適用PERを9.4倍から9.9倍に変更し、目標株価を590円に引き上げるとしている。現行株価は、新型コロナ収束に伴う22年3月期の修正1株利益の増益を反映していないとの見方を継続するとしている。
同証券では業績予想を修正、連結営業利益について、21年3月期2010億円(前期は1131億円の赤字、従来2095億円、会社側計画は1100億円)、22年3月期3991億円(従来3091億円)、23年3月期3087億円(同3036億円)と試算している。
午後1時3分時点の株価は前日比6.1円高の396.3円。
[ 株式新聞ニュース/KABDAS-EXPRESS ]
提供:モーニングスター社 (2020-07-17 13:22)
私が評価したのは「会社計画では1100億円の営業利益が、野村の試算では2010億円の利益となる」という点です。四季報でも会社計画を踏襲した予測だったので、野村の計算が正しければ、ポジティブな評価となりますし、仮に2010億円の営業利益が達成できたとすれば、2022年3月期の四季報予想と同程度となり、最終利益が25円程度となる計算です。
これは現行の配当金22円を超える水準であり、配当性向は極めて高くはなりますがタコ足配当ではなくなるため、配当水準を維持できる期待が高まります。

しかも会社側が発表している中期経営計画では22円配を維持する方針が示されていることも、重要な点です。
5月発表の2020-2022年中期経営計画で、22円配当は維持を表明
同じ石油元売りの出光興産はあっさり高配当を投げ出しましたが、エネオスでは5月に発表した経営計画でも配当方針を撤回せず、配当額の維持を表明しました。これにより、株価400円割れの水準では配当利回り5%後半が見込める高配当銘柄としてインカムゲインを狙う投資家に取ってみれば、大変美味しい投資先となります。

この計画をコロナ禍の5月に発表したものだからこそ、信憑性があると判断しています。もし、配当を減額することを視野に入れていたのなら、既にこの5月に公にしたであろうからです。コロナの影響ならば仕方ないと株主からの理解が得やすい時期に敢えて配当を維持する方針を掲げたエネオスを、私は信用したいと思います。
二度あることは、三度ある?
では、エネオスは確実に22円配当をこれからも実施するのでしょうか?
もちろんそれは分かりません、キヤノンですら33年ぶりに減配するという異常事態です。いつ何があるか分かりません。特に、これからコロナの影響がどの程度、エネオスの業績を落とすのかは全く分予測できないのです。
エネオスも5月に発表した文章の中で「コロナの影響は含んでいない」と記載しています。このことからも、配当政策がガラリと変更されるリスクは当然含まれていると見るべきでしょう。

果たして、SUBARUや出光、キヤノンで連鎖的に生じた減配ラッシュはエネオスでも生じてしまい、再び痛手を被るのか、それとも会社側は苦しいながらも配当を維持し続けてくれて、インカムゲイン投資家に報いてくれるのか……。
まずはその試金石となる、第一四半期決算を見てみたいと思います。
(※200株のナンピンで購入単価414円へと低下)
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