配布基準引き上げの株主優待改悪銘柄に付き合うべきか、否か? 4Cs Holdings・テンポイノベーション
テンポイノベーションとフォーシーズHDが何れも株主優待基準を改悪することになりました。100株主を切り捨てる改悪ですので、極めて困ったものです。さて、この両銘柄を追加で購入し、300株を保有する方が良いのか、それとも見限るべきか……。困ったものです。
テンポは配布基準が100株→300株へ変更。 100株は無し
テンポイノベーションの株主優待基準ははっきりしています。100株主には贈りません、というものです。その一方で、300株買えば5000円分のジェフグルメカードに増額するという一定の配慮はなされています。

しかしながら、テンポイノベーションの本業はコロナ禍の影響で大変厳しいものになっております。赤字転落は免れたものの営業利益などは前年同期比で約半減しておりますので、今後外食産業が立ち直りが遅れれば、業績にも悪影響を及ぼすものと思われます。
果たして、この銘柄をあと200株買い足して、優待を受け取った方が良いのか、それとも全く別の銘柄に切り替えてしまうのが良いのか……。株価は600円前後ですので、200株となると10万円前後の金額が必要になります。配当は雀の涙ですので、わざわざ200株追加購入するよりも、損切りして全く別の銘柄へシフトした方が良いのかも知れません……。
これは……、悩みどころではあります。

フォーシーズでは、100株には「お情け」優待配布
一方、フォーシーズも株主優待基準を変更すると発表しました。こちらは100株主には優待を進呈することには変わりありません。ただ、金額が大幅に減少し、配布する品も全く別のものになってしまっています。

いままで優待品だった化粧水・ローションは100株では貰えず、次回からはウイルスリムーバとかいう「怪しいグッズ」に格下げです。会社側は4000円分で5包×2を進呈するとのことですが、おそらく化粧品のサンプル配布のような、小さい包で、実質的な金額も「二束三文の試供品レベル」かと思われます。まともに優待品として、認識できるレベルはおそらく300株を保有して頂ける商品群であろうと思われます。
これは、本当に極めて残念な改定です。
長期継続保有特典も、おそらくガッカリ品か……?
継続保有の株主宛に、特別商品を別途進呈するとのことですが、これは内容も固まっていないので、おそらく一部の株主への繋ぎ止め工作でしかないものだと思います。この長期保有特典が素晴らしいものとは、これまでの対応からは考えづらいです……。

おそらくこうした背景には、Oakキャピタルに割り当てた新株予約権があると思われます。この新株行使を円滑に行使させる為に株価水準を維持する必要があるため、今回急きょ持ち出した苦肉の策でしょう。株主優待制度があったからこそ、フォーシーズHDの株価は500円以上の高値を維持できていたとも言えるので、優待制度の魅力を一気に削いでしまうと、株価が大幅に下落し、結果としてせっかく割り当てた新株予約権の行使が滞り、予定していた資金調達が計画倒れになってしまう……。
業績の厳しいフォーシーズにとってはこれは痛手となります。そのためにも、長期株主には追加で株を購入してもらい、Oakキャピタルが大量行使した新株の受け皿になって貰うしかないのでしょう。

個人株主は、フォーシーズの資金調達のための「踏み台」でしかないのでしょうね。
来期以降の株主優待制度は固まっていない

結局、来年以降も株主優待制度の内容が固まっていない、と記載しているのも、新株予約権の行使が順調に進めば、あとは用済みだからではないでしょうか。
増資する為に、株主優待制度を上手く使い、それが終われば速やかに廃止する……。
かつて東証一部に上場変更をしたいが為、優待制度を復活させて株主数を大幅に増加させた末に、見事一部市場変更を勝ち取った会社が、即座に株主優待制度を廃止した例があります(モリトですが)。
株主優待制度を狡猾に使えば、幾らでも株価や株主数を操れるため、業績の怪しい会社の株主優待には大いに注意を払う必要があります。
フォーシーズがそうなるかどうかは分かりませんが、一定の廃止リスクを織り込んで株を追加取得するかどうかを判断する必要があります。
何を重視するか? インカムゲインかキャピタルロスか……
おそらく、インガムゲインを重視することになれば、追加で株を取得する方が得策でしょう。しかしながら、業績の改善が進まなければ、キャピタルロスを生むことになります。
当ブログはインカムゲインを最重要視して投資ポートフォリオを構築してきました。ただ、インカムゲインを遙かに上回るキャピタルロスが生じている現状では、一時的にインカムゲイン重視路線を棚上げする必要性も感じています。
結局の所、業績改善を感じられる会社ならば保有したい、というのが本音です。ただ、どちらの企業もコロナ禍の影響から簡単には立ち直れそうもなく、最終的にはインカムゲインを捨てるという厳しい判断をせざるを得ないのかな……というのがいまの結論です。
まだ優待権利月である本年9月や、来年3月までには時間がありますので、もうしばらく考えたいです……。
株主優待制度の改悪が続くと、どうしても気分が落ち込みます……。

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